最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「フェンス、かぁ」
学校のそれを思い出す。色も形も似ているから、何となく……。
「色々あったなぁ……」
学校裏で生吹くんと出会って、そして話し始めて恋に落ちた。
そして今日、二人きりでデートをしている。このクリスマスに――
「(ちょっと待っててって言ってたし……まさか、告白ッ?)」
舞い上がった私の頭はなかなか正常に動かず、生吹くんが告白してくれる場面を想像してしまう。ダメだ、私すごい期待しちゃってる……。
「お待たせ、って美月。どうしたの?そんなに外が寒かった?顔が真っ赤だよ」
「へ?えっと、あの……き、気にしないでください……っ」
「そう?」と首を傾げた生吹くんは、門の前に立つ。