最強王子とフェンス越しの溺愛キス


「大事な娘を危険な所には行かせたくないわよ。親なら誰だってね。だけど、娘が壊れちゃいそうなほど泣いてる姿を無視していられるほど、親も強くないの」

「うん、うん……っ」




「絶対に無事に帰ってくること。それが約束よ?」

「はい、お母さんっ」



お母さんと指切りをする。ギュッと、温かな体温を交わした。




「じゃあ、美月。車に乗りなさい!」

「え、中の子供たちは?」



スタスタ車を目指して歩くお母さんの後をついていく。するとちょうど中が見える窓があり、私は思わず覗いてみる。


すると――



「心配ご無用。今日はサンタさんが来る日だから。旦那だけじゃなくてボランティアの人たちもいて、今日は大賑わいなのよ!」

「そっか、うん。そうなんだね」



良かった――


< 364 / 447 >

この作品をシェア

pagetop