最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「大事な娘を危険な所には行かせたくないわよ。親なら誰だってね。だけど、娘が壊れちゃいそうなほど泣いてる姿を無視していられるほど、親も強くないの」
「うん、うん……っ」
「絶対に無事に帰ってくること。それが約束よ?」
「はい、お母さんっ」
お母さんと指切りをする。ギュッと、温かな体温を交わした。
「じゃあ、美月。車に乗りなさい!」
「え、中の子供たちは?」
スタスタ車を目指して歩くお母さんの後をついていく。するとちょうど中が見える窓があり、私は思わず覗いてみる。
すると――
「心配ご無用。今日はサンタさんが来る日だから。旦那だけじゃなくてボランティアの人たちもいて、今日は大賑わいなのよ!」
「そっか、うん。そうなんだね」
良かった――