最強王子とフェンス越しの溺愛キス

「敵さん、ぞくぞくと集まってきたっスね」
「なんか数多くないか?」
「Lunaってあんなにいたか?」



「……いや、増えてるね」



そろそろ決闘開始時刻。

各々が特攻服を着て、だだっ広い廃墟の敷地内に集まる。そして、遠目にメンチを切りあっていた。


ただ、ここで不穏案件が一つ――



「あの、藤堂さん。
もしかして、やっこさん、」



小太郎がそう口にした時、ブオオンとバイクの音が響く。あの音は、間違えるはずがない。俺のバイクだ。


つまり――




「ナイスタイミング。生吹」

「すみません、遅くなりました」




春風生吹。

最強王子と謳われるイケメン王子様の登場である。



< 368 / 447 >

この作品をシェア

pagetop