最強王子とフェンス越しの溺愛キス
生吹は瞳をそのままに、コートをおもむろに脱ぎ始める。すると夕日に反射して、何かがキラッと光った。生吹の首元と、手首からだ。
生吹自身も、それを目にした瞬間――ピタリと動きを止める。だけど、それはほんの一瞬のこと。
静かに両目を瞑った後、再び瞼が開いて姿を見せたのは――猛獣のような目のギラつき。
「……足りない」
獲物を狩る物の瞳――生吹の中で、今、何かが暴れようとしていた。
「全員まとめてかかってこい」
「っ!!」
「!!!」
一同が全員、ビリビリと足元から電気が走ったように背筋が伸び、緊張した。それはLunaもMoonも同じことだ。
だけど生吹は、そんな中。足一本でザッと地面に線を引き、「あるライン」を示した。そして俺たちMoonの方を向き、こう説明をする。