最強王子とフェンス越しの溺愛キス


「弱そうなのはラインより後ろにやるんで処理頼みます。あと特攻隊長は俺と一緒にラインより前へ。あと藤堂さん、話が」

「あ、あぁ」



端的な指示の後、皆ぞろぞろと移動をする。と言っても、ゆっくり動いているのはMoonだけで、Lunaの奴らは既にこっちに走り寄っている。生吹は殴ったり回し蹴りをしながら、俺と話せる距離まで来た。




「単刀直入に聞きます。ここにいるのはLunaだけですか?」

「!? いや、違う。たぶん異分子が混じってる」




暴走族に加入していなかったのに、目の付け所が鋭い。内心そう感心していると、生吹が「だと思った」と吐き捨てた。



「新島ってLunaからも姿を消してるんですよね?じゃあ果たし状は誰の指示で出して、今ヤツらは誰の指示でここに?」

「……確かに」




「ぐわ!」「があぁ!」と声が飛び交う中、生吹はLuna勢力を目を皿のようにして観察していた。

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