最強王子とフェンス越しの溺愛キス
生吹は「だから」と言って一人二人殴りつつ、まとめに入る。
「Lunaを動かした総長。
プラス、
Lunaに加担した別組織。
その両方がいる可能性が高いって事です」
「この状況で総長のお出ましか。しかし……Lunaは最初から正々堂々する気がなかったんだな」
はぁとため息をつくと、生吹は笑った。
「ちょーどいいじゃないですか」そう言って、楽しそうに笑みを浮かべる。
「だってMoonには俺みたいな化け物いるんですから、加勢あってトントンですよ」
「! ホント、言うねぇ」
圧倒的自信――それははったりでもなんでもなく、襲って来るもの全員を片っ端から殴り、蹴り、そして誰一人として立てなくしていった。
「くれぐれも、加減は間違えてくれるなよ」
「分かってますよ。なので藤堂さんは黒幕の把握をお願いします。絶対に来てるはずだから」
「了解」
「ま、すぐに見つかるとは思いますが」
「?」
今の、どういう意味だ――?