最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「ど~もォ♪」
「あ、やっべー……」
短髪に紫の髪。ピアスの数が、顔の大きさと全然合ってない。どんなけ皮膚を貫通させてんだよコイツ!
「小太郎!逃げろ!!」
「え!もう!?」
まさかLunaがこんなに近づいていたなんて、誤算だった。俺は小太郎を突き飛ばして、離せられる距離だけ、紫野郎と小太郎を離した。
「ここは俺に任せて、お前が(黒幕を)見つけろ!」
「うッス!!」
この場はどう考えても、ケンカが強い俺が残って、逃げ足の速い小太郎が敵情視察をするべきだろう。
と、考えていたのを悟られたのか――
「ざーんねん。俺ねぇ、ケンカが本当に弱いのォ♪」
「……は?」
確かに、紫野郎は長身なくせに細身で……いや、細すぎだろ。ベルトどんなけ締めてんだよ……っ!