最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「あんたLunaなのか?」
「んーん、違うけどォ?♪」
「……は?」
おい、おいおいおい。まさか、この紫野郎が黒幕だったりするのか?こんな早々に出会うもんか、フツー?
俺の顔に、少しだけ冷や汗が流れたのを確認したかのように――紫野郎は笑顔でジリジリと近寄ってくる。
「さっきチビちゃんを何処かへ行かせたみたいだけど……もしかして、今回の決闘の黒幕を探してるのォ?♪」
「……お前には関係ねーな。紫野郎」
「やだ、辛辣ゥ♪」
なんだ、こいつ……ってか、コイツの話し方、どこかで……。
「あ、申し遅れましたァ♪
俺、新島拓の兄貴で、瀕死のタクを自宅で保護してる、心優しきお兄ちゃんでーすゥ♪」
「っ!?」
新島?今、新島って言ったか!?
しかも瀕死?どういうことだ!?