最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「タクねェ、なぜか廃墟に一人転がっててねェ♪放っておこうかと思ったけど、Lunaで商売できなくなったら困るし、俺らのチームも加勢して恩売っとこうかなァってェ♪」
「商売……?」
まさか――と疑惑が浮かぶ。そして、答えはすぐに出た。
「色んな危ないモノだよォ♪もうMoonにも、少しは手の内を明かしてるでしょォ?♪」
「あぁ……」
美月ちゃんと真白という子が眠らされた薬も、たぶんこいつらだ。その他にも、きっと持ってるんだ。危ないそれらを。
Lunaという暴走族で、荒稼ぎしてるのか。
「高校生相手に、陳腐な商売してんだな」
「えェ?♪そんな事ないのよォ~皆が口を揃えて言うのォ♪」
「危ない物をほしいって?」
「違う違うゥ~♪
”最強の春風生吹を倒したい”ってねェ♪」
「!」
生吹を?そんなに?たかが高校生一人、尋常じゃないくらい強いだけだろ?何をそんなに固執してんだか。
疑問に思った俺の顔を見て、紫野郎が答えを喋る。