最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「何でもその生吹って子、バケモン並みに強いらしいじゃなぁィ?♪だから正々堂々じゃ敵わないから、どんな手を使っても勝ちたいらしいのよォ♪高校生って皆いじらしいわねェ♪」
「そのいじらしいのを、手の平でこねくり回してんのは誰だっての」
ふん、と悪態ついて言うと、紫野郎は「そんなコト言ってていいのォ?♪」と余裕の表情で俺を見た。
「さっきチビちゃんが走った先に、俺のチームで最強の男がいるんだけどォ♪」
「!?」
「大丈夫かしらァ?♪あのチビ、もしかして死んじゃったりねェ?♪」
「(小太郎!!)」
チッと舌打ちが出た瞬間、俺の足は動いていた。まずは紫野郎の胴体に拳を一つ入れて、そして相手が怯んだ時に突破する。
さっき「ケンカが弱い」と言っていたのは本当だったようで、一撃で地面に倒れた。