最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「クソ弱ポンコツ男だな。伊織」
「おま、それを言うかね、今ここで」
「俺に素直になってほしそうだったから、素直になって本音を言ったまでだ」
はあ、とため息をついても、もう遅い。一輝がここにきてしまったのだから。
「なんで分かった、場所」
すると一輝はのびてる紫野郎を縄で縛って、そのへんに転がす。パンパンと、掃除が終わったような仕草だ。
「Moonには入ってねーけど、誰かさんからMoonの話をよく聞いてたからな。ここが昔ながらの決闘場ってのも、とっくの昔に知ってるっての」
「”誰かさん”……アホだな」
「鏡もってくるか?」
「……」
括る前に一輝は紫野郎の服を苦し、靴も脱がし、ほぼ丸裸の状態にしていたらしい。その状態で引きづって歩こうとする。どこへ持って行くのか聞いたところ「生吹の所」だという。