最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「生吹ぃ、お前暴走族に入らねェんじゃなかったのかよぉ~。なにMoonに入ってんだぁ?」
「お前らが自由したツケだろ」
新島はしばらく黙ったが、ニヤリと包帯を揺らして笑った。そして「美月ちゃんの事かぁ」と――たぶん、今一番口にしてはいけない人物の名前をいってのける。
「美月ちゃんなぁ、可愛いかったなぁ~。やわらかーなほっぺを舐めたりよぉ、あのほそーい腰に俺の体を当てて見たりよぉ。思い出しただけで興奮するってモンだぜぇ?なぁ生吹ぃ?」
「――」
あ、ヤバい。
隣にいる一輝も、そう確信したに違いない。俺たちは新島の口を閉ざすよりも、生吹の体を制御しようと素早く動いた。