最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「銃に当たったら絶対無事じゃないよ。裂傷してる。だから心配するほどじゃないよ、これが本当の”かすり傷”かな」
「って、そんな呑気な――!」
生吹が珍しく放心状態になっていたが、体がビクンと動いた。何だ?と思い、生吹の視線の先を見ると――
「黒幕の、お出ましだ」
そう言って、生吹はニヤリと笑った。
だけど「黒幕」という言葉とは裏腹に――
「やあ、皆さんお集まりで」
この場に似合わない「真っ白」な人物が立っていた。
正確に言うと、紫野郎の横に立っていた。
そして、
「お待たせしました、って言った方がいいかな?」
「純弥……?」
いつものおちゃらけた表情は無く、真剣な顔で。
その「白」は、俺たちを見つめたのだった。