最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「純弥先輩が、総長……?」
まさか木陰に隠れているなんて、俺は思いもせず。着の身着のまま、俺は白いのと向かい合い、対峙する。
「遅いお出ましだな、白いの。わざわざクリスマスに決闘を申し込んでおいて遅刻か」
「今日お前と美月ちゃんがデートするって、あの日ファミレスで聞こえちゃったからね。わざとダブルブッキングをさせてもらったよ」
ニコリと笑いつつ、白いのは「しかし」とため息をついた。
「やっぱり君一人に限っては、俺が総長と聞いても全く驚かなかったね」
「まぁな。一から説明してやりたい、けど」
「そうだねぇ話をするには――ちょっと外野が多いねぇ」
がキッ
そう言いながら、白いのは紫野郎をもう一度殴り、完璧に気絶させた。そしてまだ息のあった新島を、紫野郎と同じように殴って気絶させる。
これで残るは、Lunaと紫野郎の手下のみ。