最強王子とフェンス越しの溺愛キス
ザッ
俺と白いのを囲む奴らの数の多いこと。白いのも「面倒だな」と、首をポキポキ鳴らしていた。
「俺にたっぷり話があるでしょ?お前」
「当たり前だろ。それに、するのは話だけじゃない」
「フッ、上等」
じゃあ短時間で終わらせようか――
そう吐き捨てた後、俺めがけて殴ってきたLunaを、白いのが一撃する。腕のふり幅が小さい割に、殴られたソイツは、とんでもないくらい強い衝撃を食らっていた。
ゴクリ――誰かが息を呑む。それと時を同じくして、白いのが口を開いた。
「かかっておいで。俺は君たちより強い自信がある。まとめて相手してあげるよ。さぁ――
最後まで立っていられるのは誰かな?」
クッと面白そうに笑った白いのは、足に力を入れて前進し、俺とすれ違う。そして俺も、白いのをめがけてやってくる奴らを倒すため、手に力を込めた。そして俺たちは互いにすれ違い、共闘する。