最強王子とフェンス越しの溺愛キス

高校に上がった時に、大人数相手に連戦連勝を繰り返していると、いつの間にか地元で有名なポジションになっていた。


そんな時に言われた言葉がある。




『暴走族を作らないんですか?』
『暴走族?』



『純弥さんが総長なら、最強の族が誕生します!知らない人はいない、そんな暴走族が!』
『知らない人はいない……』




それは、もう会う事の叶わない美月の耳にも届くのだろうか――




そんな事を思って、ありとあらゆる所で暴れた。俺の名前が全国に響けばいいと、そんな事を思いながら。



そして一から族を作った。なぜMoonとLunaの二つがあるかというと、それは俺の名前が変わったからだ。


よくある、両親が離婚したから名字が変わったという、アレだ。



赤目純弥の頃に作った「Moon」。
純白純弥の頃に作った「Luna」。



どっちの名前も「月」が所以なのは――俺の夢とこだわりだ。月が、俺と美月を導いてくれますようにと、そんな夢みたいな事を思って名付けた。

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