最強王子とフェンス越しの溺愛キス
一時期は族を合体させようと思ったが、なぜか各仲間たちが、赤目と純白を同一人物だと認めなかった。だから俺も説明が面倒になって、もうこのままでいいやと思っていたんだ。
だけど――俺が三年になった時に、世界が変わった。
『……美月?』
俺と同じ高校の制服を着た美月が、校門をくぐったからだ。
『うそ、だ……美月!』
俺の名前がついに美月の耳にも届いて、それで追いかけてきてくれたのか?とか、そんな夢物語を抱いた時もあった。けど、すぐに「何の打算もなく」美月がA校に入学したと知る。
問題は、その後だ。