最強王子とフェンス越しの溺愛キス
『一年の立花美月って、魔女なんだぜ?』
『え、魔女?美人だって噂だけど』
『目を見たら心臓もってかれるとか』
『ひーおっかねー。気味悪ぃよ』
そんな噂を耳にしたのは、春になってすぐ。美月に会いたくて、どう話しかけようか迷っていて、考えて居たら一日があっという間に過ぎていた、あの頃――
『魔女……美月が?』
魔女なんて噂、幼稚園の頃には流れていなかった。むしろ、誰にでも優しくてかわいくて、心の綺麗な女の子。
なのに、どうしてだ。どうしてそんな噂が――?そんな堂々巡りをしていた時だった。
俺の中で、あの言葉が蘇った。
――すきじゃない。みつきがひとりで、もりあがってるだけ
『まさか……』
胸騒ぎがした。まさか俺の一言が原因なのか?美月が魔女って言われているのは、もしかしたら俺のせいなんじゃないのか?
答えが出るのに、時間はかからなかった。美月の笑顔に影を差しているのは俺に違いないと、すぐに判断した。