最強王子とフェンス越しの溺愛キス
そこから、無い頭で必死に考えた。
どうしたら美月は笑ってくれる?前みたいな可愛い笑顔を見せてくれる?どうしたら俺に微笑んでくれる?
ねぇ、美月。
君は今、幸せ――?
◆
全てを聞き終えて、生吹が俺に尋ねる。
「そこで現れたのが、真白に扮したお前ってわけか」
「……そうだよ」
――ねえ、立花美月ちゃん?
――え、はい……そう、です
「十年越しに再開して、久しぶりに交わした言葉。泣きそうになったって言ったら……いや、たぶん大げさじゃないんだ。俺はテンション高く接していないと、美月を見ると泣いてしまいそうで。
だけど、美月とまた話せたことが嬉しくて。俺が出来る事は何でもしてやりたいって、そう思った」