最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「傷ついた君の心に、更に魔女なんて噂がのっかって――美月は今、一体どれほどの苦しさを抱えているんだろうと思うと……我慢できなかった。
模索した方法が女装なんて、なんか笑っちゃうけど……。美月の友達として近づくしか、もう手はないと思った。我ながら陳腐な考えだ。
だけど唐突に表れた俺にも、真白にも――君は笑顔で受けいれてくれた。俺はやっぱり美月を好きだなって思ったよ。君のためなら何でもしてやりたいって、心から思ったんだ」
「うぅ…っ」
泣く私を一瞥して、純弥先輩は生吹くんに尋ねる。
「お前は?いつから俺と真白が同一人物だって見抜いてた?」
すると生吹くんは「最初からきな臭いとは思っていた」とハッキリ言う。