最強王子とフェンス越しの溺愛キス

私は、もう人の顔色は見ないし、お母さんにも会って謝れた。そして強くなると決めた。


私は、純弥先輩や真白ちゃんに会ってから嫌だったことは一つもない。むしろ幸せなことばかりだったよ。




「俺は本来なら、それだけで満足するはずだったんだ。美月が前を向いて楽しそうに生きていてくれれば……俺はそれ以上の幸せはない。俺は美月の笑顔が見たいだけだから。


だけど――」




だけど――と口にした瞬間、生吹くんが警戒して姿勢を低くする。純弥先輩が何をするか、伺っているようだった。だけど純弥先輩は「違うちがう」と緊張の糸を切るように、軽く笑う。




「そんなに構えないで。何も美月を危険に陥れたいわけじゃない。

ただね――


俺の片思いはずっと続いてるなって、美月と会う度に実感した。俺はまだ美月が好きなんだなって」

「純弥先輩……」