最強王子とフェンス越しの溺愛キス



「美月が新島に目をつけられたのは、俺のせいだ。俺が安易に美月に近づいたから。だけど――その新島を野放しにしていたのは、お前だ。白いの」

「……それで」




「こんな世界に、美月を置いておけない。新島を潰すだけじゃダメだ」

「……俺も同感かな。俺の欠けた月は、いつまで経っても欠けたままだ。

俺の好きだった美月は、今やお前のことが好きで。俺が夢を重ねて作ったLunaも、新島兄弟の手でバラバラだ」




ハァと、憂いのため息をつく先輩。生吹くんを見て「それで」と続きを促した。




「俺をこれからどうするつもり?」

「俺が――お前を倒す。そして二つの族をまとめた新しい総長になる」

「……へぇ。見ものだね」





「い、生吹くん……っ?」




ここでやっと生吹くんの本心を知ることが出来た私。理由を聞いていく内に複雑な感情が混ざり合い、手が震える。

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