最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「誰にも文句を言われない最強の総長になって、美月に危険が及ばない日常を作る。その一歩が、お前を倒す事だ」
「随分と崇高な目標だけど。それは美月を泣かせてまですることなの?」
「……」
「(生吹くん……っ)」
一輝くんにもたれていた体を起こし、手をギュッと合わせる。もしかしたら、ここで考えが変わってくれるかも――なんて淡い期待を抱いた。
だけど――生吹くんは言った。言い切った。強い意志を持って。
「例え嫌われても、必ず美月を守る」
「っ!」
私の願いは……届かなかった。
私が安全に暮らせるように、私を守るためだけに。
生吹くんは、暴走族を嫌う私と決別する。
今、この瞬間に――