最強王子とフェンス越しの溺愛キス


「いいの?君のカッコイイ顔が台無しになるよ?」

「……いらねーよ、こんな顔。俺がいるのは美月の幸せだけだ」




「っ!へぇ、!」

「美月が幸せなら、それでいい。そして、その幸せを作るのは――俺だ」




ガゴッと、生吹くんの蹴りが純弥先輩のみぞおちに入る。純弥先輩は「ぐっ…⁉」と顔を顰めた。だけど生吹くんは連撃をしかける。


純弥先輩に膝をつかせるために。





自分が総長になるために――






「あ、一輝、くん……っ。やめて、止めさせて……!これじゃあ、二人が、」

「……うん。辛いな、美月ちゃん」




私の頭を一輝くんが撫でる。そしてその横で藤堂先輩が「美月ちゃん」と、闘う二人から目をそらさず私に諭した。


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