最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「今、二人は君のために戦っている。君の幸せをかけて、二人は全力を出しているんだ」
「私の、ために……?」
「だから美月ちゃんは、この光景を見届けないといけない……酷だけど」
「そんなの……っ」
望んでない。
私は、そんなこと望んでない。
一言だって「ケンカして」なんて言ってない。
「私は……っ」
生吹くんが笑っていて、純也先輩も笑ってくれて、一輝くんも藤堂先輩も小太郎くんも笑ってくれて……。
皆が、みんな笑顔でいる世界。
そんな世界がいいの。