最強王子とフェンス越しの溺愛キス



「美月ちゃんが抱き着いてくれたのは嬉しかったけどさぁ、これって俺の負けだよね?」




へへと笑った純弥先輩。だけど、生吹くんは「どうかな」と暗い声で答えた。




「美月はお前を庇った。俺じゃなくて……。お前は、美月の初恋の相手だ。もしかしてお前の事をまだ好きで、」




そこまで生吹くんが口にすると、純弥先輩が「よッ」と言いながら、生吹くんの足に蹴りを入れた。



ガンッ



「い……って!美月を持ってんだぞ、気をつけろよ……!」



歯を食いしばって抗議する生吹くん。だけど純弥先輩の怒った顔がズイッと近づき、悔しくも一瞬怯む。




「お前バカなの?」

「ば、か……?」


< 434 / 447 >

この作品をシェア

pagetop