最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「病院って、お前は真白なんだろ?じゃあ色んな薬を持ってるんじゃないのか」
「ないない、治癒系はないの。まーったく」
そしてこの場を去ろうとする二人。だけど純弥先輩が立ち止まり「そうだ、これ」と言って、近くにいた一輝くんに「ある物」を渡す。
「スマホ?しかも女子っぽいゴテゴテした装飾……」
「それ真白の。今まで二台持ちしてたけど……これからはもういらないからさ。燃やしといて」
「……はぁ」
納得のいかなかった一輝くん。その横で藤堂先輩が「どうやって真白とお前、メールやりとりしてたんだよ。俺らの目の前でもしてたろ」と不思議がった。
「今が寒い時期で良かったよ。コートのポケットにそれぞれスマホ入れて操作すればいいんだから」
そう言ってニヤリと笑った純弥先輩。藤堂先輩は呆れて口をヒクつかせたが、ある音を聞いて「お」と言った。