最強王子とフェンス越しの溺愛キス

「パトカー来たな。引き上げるぞー。薬や拳銃所持の危ない奴らを、根こそぎ引き取ってもらえー」

「さんせーい」




三年生同士、肩を組んでこの場を去る。




「そういえば紫野郎が“ まだ最強の男がいる”って言ってたけどお前の事?」

「うん俺おれー。ここに着いた時に適当に言いくるめといた」

「あー、そう」




あっけらかんと答えた純弥先輩に、藤堂先輩はため息で返す。そして無言で去ろうとすると、小太郎くんが「病院まで付いて行くッス」と、二人の後を追った。


残るは――




「……生吹」




一輝くんは、未だ荒野に佇んでいる生吹くんに目を移す。だけど名前を呼んだだけで、他には何も言わない。


生吹くんからも何もアクションがなかったため、一輝くんもさっきの三人の後を付いていこうとする。


だけど、

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