最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「き、美月――」
「……ん?」
目を開けると、生吹くんの顔。優しい笑み……。
「ここは……」
「施設まで帰って来たよ」
「施設……え?」
見渡すと、確かに施設だ。さっき、ここで生吹くんとさよならした場所。
ということは――
「また、生吹くんとさよならしないといけないの……?」
眉に力が入り、思わず泣きそうになってしまう。だけど生吹くんは、そんな私に軽く口づけをした。
ちゅっ
冷たい生吹くんの唇が、私のそれにあたる。もうキスなんてしてくれないと思ってたから……驚きで、じっと生吹くんを見てしまった。