最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「生吹、くん……今のは、何のキス……ですか?」
思わず丁寧に口調になってしまった私に、生吹くんは「うん」と眉を下げて笑った。
「振り回してごめん。美月を泣かせてごめん。俺はやっぱり美月が好きで、大事だから……」
「……だから……?」
生吹くんの頬に手を添える。純弥先輩に殴られ蹴られた痕が、至る所についていたけど……私の目には、いつものカッコイイ生吹くんが映っていた。
「俺の彼女になるってことは、総長の彼女になるってことだよ。しかも、」
「“ 最強の”総長……?」
恐る恐る聞くと「たぶんね」と苦笑が返って来た。