最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「もう……離れるなんて言わないで」
「言わない。一番近くで美月を守る」
その言葉に、私は唇をキュッと噛んだ。
「……私にも、守らせてほしい」
「え」
少しだけ体を離し、生吹くんの首と手を順番に見る。私の視線の後についてくるように、生吹くんも私の首と手を見た。
いや、正確には、
首と手にされているペアアクセサリーを、私たちは見ていた。
「生吹くんは私の大事な人だから。大好きな人だから。守られるだけじゃなくて、私も生吹くんを守りたい。
事故のトラウマとも、しっかり向き合う。乗り越えて行けるように、これから頑張る」
「!」
「生吹くんの隣で、私は強くなりたいの。そして生吹くんを守らせて……ください」