最強王子とフェンス越しの溺愛キス
最強と言われている生吹くんを「守る」なんて。自分が変な事を言っているのは分かってる。
だけど、守りたい。
生吹くんの考えも、行動も、何もかも――私は守っていきたい。
「ぜ、全国制覇したいなら、そ、それも応援する!から……っ」
「……ふふ、さすがにそこまでは、まだ考えてなかったな」
「(えっ!)」
赤面する私に、生吹くんは目を細めて笑った。そして手を取って「ありがとう」という。
「俺の守り方を真剣に考えて、受け入れてくれてありがとう。一人で暴走してごめんね」
「ううん……私の方こそ。ありがとう、生吹くん。私、幸せ者だよ」
「うん。俺も、幸せ」
生吹くんの周りの空気が揺れる。まるで「嬉しがっている」みたいな。そんな柔らかい雰囲気。
だけど、そんな中。
生吹くんは唐突に「そういえば今日はクリスマスだったね」と言った。