最強王子とフェンス越しの溺愛キス


「最高のクリスマスプレゼントを貰ってもいい?」

「え、でもプレゼントなら、もう……」




すると生吹くんは私の頬に手を添えて、二人の唇をグッと近づけた。


そしてまた、ちゅっとキスを落とす。今度は何度も、何回も。


回数を重ね、お互いの唇が温まってきた頃――生吹くんが「美月」と私を優しく抱きしめた。



「美月が俺の彼女になるっていう、最高のクリスマスプレゼントが欲しい。

だから、改めて言うね。


俺と付き合ってください」


「……っ」


「俺の彼女になって、美月」




まさか本当にこんな日が来るなんて……っ。



「(夢じゃ、ないよね……っ?)」



口が動く前に涙が落ちる。ポロポロと流れるそれは、ついさっきも確かにここで流した涙。


だけど、温度が違う。涙の意味が違う。


さっきのは悲しくて冷たい涙。

そして今度は――幸せで温かい涙。



「はい、よろしくお願いしますっ」










月が二人を包む。

その光が、穏やかな幸せを運ぶ。



まるで決闘の終焉を見届けるように。

そして、新しい始まりを見守るように。




月光が二人を優しく照らし続けた――






< End >



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