最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「ううん、俺こそごめん。ビックリするよね、急に近づかれたら」
「いえ、その……ごめんなさい……っ」
たて続けに謝る私に「ふっ」と、また笑みを零す男の人。
再び顔を下げていた私に向かって「あのさ」と言った。
「また、ここに来る?」
「え……私、ですか?」
「他に誰がいるの?」
意地悪く、ニヤリと笑った男の人。
反対に、「ですよね」と、恥ずかしくて更に小さくなる私。
そんな私の鼻に、フェンスを通り抜けた指でプニッと。男の人が、優しく押す。
「えッ!?」
「ふふ、ごめん。なんか可愛くて」
「(か、かわ……っ)」
お世辞だとは思うけど、言われ慣れていない言葉に、思わず顔が赤くなる。