最強王子とフェンス越しの溺愛キス
ピンポンパンポーン
「春風生吹、春風生吹。至急ブラケットを持って職員室へ来るように。繰り返します――」
「……」
「……」
それは、B校の呼び出しだった。
「今の、俺?」
「えっと……は、はい。そうです……」
「だよね、うん」
「……」
「……」
お互いに目を丸くして。
お互いを見つめ合う。
今、自分たちが何をしようとしていたのか。
そして、どんな間の抜けた音で邪魔をされたのか。
考えたら、だんだん可笑しくなってきて……
「……っぷ」
「ふふ」
我慢できなくて、二人で笑い合った。
「やっぱりバレたか。これ盗んだの」
「いずれ返すつもりだったのにね」
「いや。そんなことないけど」
「(え)」
ま、真顔で言われちゃった……。
けど、冗談だよね?
私もブランケットを返そうと立ち上がる。だけど生吹くんに「いい」と制止されてしまった。