最強王子とフェンス越しの溺愛キス
放課後、色んなことがあって忘れかけていたけど。
今日は純弥先輩と帰る日だった。
「校門で待っててねーって言われたけど。
純弥先輩、本当に来るのかな?」
校門に立つ私を見つけた同じ高校の人たちは、遠くから不思議そうに私を見つめた。
だけど、私と距離が近づくと……
不自然なくらい、グイッと視線を逸らす。そんなあからさまな態度に、私が気づかない訳もなく。
「(何だかんだ、私を魔女だと思い、心臓をとられると思っている人は多そうだなぁ)」
思わず、苦笑いが漏れる。
そんな事ないのに、と。
そう思った時だった。
「やー!めっちゃ可愛い~♡」
「!?」
私を見るやいなや、飛行機のような勢いで突っ込んで来た女の子。
ふわふわした、可愛らしい印象の子――
「初めまして~!
私、真白(ましろ)っていうの!」
「た、立花美月、です……?」
自己紹介されたから、私も思わずしちゃった、けど……。
えっと、誰?なんだろう?