最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「だから今は、総長代理って人が、総長の代わりをしてるらしいよ」
「総長、代理……」
「そう。でも、本当の総長はメチャクチャ強いんだって。
それにメチャクチャ、カッコイイらしいよ♡」
「真白ちゃん、詳しいねぇ……」
「こういう話、好きなの~♡」
はははと笑う私。だけど、頭の中で真白ちゃんの言葉が残る。
メチャクチャカッコいいって、なんだか、それって――
「(生吹くん、みたいだなぁ)」
その時、お昼休みにあった出来事を思い出してしまう。
二人、フェンスに近寄って、それで……
キス……だよね?あれってっ。
「~っ」
「あれ~?美月ちゃん、なんか顔赤くない?大丈夫~?」
「へ、平気……。ありがとうッ」
火照った顔に秋風が当たる。冷たさがちょうどよくて気持ちよくて、思わず目を細めた。
すると、そんな私を見ながら……見つめながら。
真白ちゃんは「ねぇ」と、私と向かい合った。