最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「顔が赤いで思い出したんだけど。
“ 赤い”って言えばさ……。
美月ちゃん、血は平気?」
「え――」
真剣に、何を言われるかと思ったら……。
真白ちゃんの言葉に、私の体が固まった。
「……っ、ち……血が、どう、したの……?」
「ん?何となく。ほら、さっき暴走族の話したから」
「暴走族……と血が、何の……?」
「ほら、暴走族って言ったら、ケンカでしょ!
血が出ることも多いから、ね?」
「あ、あぁ……そっか…………そう……」
ドクドク――
「(ふぅ…落ち着け、私……)」
頭に一気に集まった血が、深呼吸をして下に降りてくる。
すると頭をカナヅチで叩かれていたのが終わったかのように……。鈍痛は徐々に引いていった。