最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「ん……っ」
頭が重い……。
グラグラって、目が回るような……。
「(それに、ここは……?)」
薄っすらとしか開かない目を、何とかこらして見る。
すると、そこは薄暗くて……。
「(夜?そういえば、なんだか寒い……)」
体が芯から冷えているのを感じる。
私は少しだけ頭を動かして、自分の体を見た。
「(コンクリート……?私、そこに寝転んでるの?)」
体が冷えている理由が分かった。
冬のコンクリートの上に寝かされれば、そりゃ寒くなる、よね……。
「(けど、何のために……?)」
すると、私の足元で、男の人の声が聞こえた。
二人、いや、もっといるのかな……?