最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「そーそー俺らB校なんだけど、魔女の噂は聞いてるぜ~?」
「ま、じょ……っ」
「心臓を取られちまうんだろぉ?あんたの目ぇ見ると」
「ッ!」
まるで小声で囁くように、だけど、決して小さくならない怖い声が。
私の耳に、隙間なく入ってくる。
体がブルブルと震え始めた。
それを目ざとく見つけた新島という人は「そー怖がんなってぇ」とニタリと笑った。
「正直、魔女の噂はどっちでもいーんだよ。俺らは。
むしろ、こんな美人が魔女でラッキーくらいに思ってんだし」
「な、に……?」
「あー?何が目的かって?そーそー、俺らねえ、探してんのよ。
俺らの暴走族、Lunaの総長を」
「!」
Luna――それは、さっき真白ちゃんが話してくれた事。
確か、暴走族にはLunaとMoonがいて……。
それで、総長をあまり見た人はいなくて、総長代理って人が総長の代わりをしてるとかって……。
だけど、ここまで思い出して、ある事に気づく。