最強王子とフェンス越しの溺愛キス


「ま、しろちゃん……」

「あ?真白?そいつが総長なのか?随分可愛い名前だなぁ」

「ち、がいます……っ。可愛い、女のコ……。その子は、一緒じゃなかった、ですか……っ?」



もしかして、危ない目にあってるんじゃ……っ。

真白ちゃん、無事でいて!



すると、新島は「はあ?」と目を開いて私を見た。



「アンタ、自分の置かれてる状況を分かってる?連れ去られたんだぜ?俺らに。

これから何されるかも分かんねーって時に、なに呑気にダチの心配してんだよ?」

「ッ!」



これから何されるかも分からない――


新島は、確かにそう言った。

その言葉は、私を更に震え上がらせるには十分すぎる言葉……だけど。



「と、友達……だから、心配、する、んです……っ」

「へぇ……」

「っ!」



真白ちゃんは、確かに今日会ったばかりの子で付き合いは浅いけど。

でも、私に話しかけてくれた女の子だもん。


私が調子悪そうにしていたら、公園で休ませてくれて、飲み物も買ってくれる。

そんな真白ちゃんは、とっても優しい子。



「あの子に……手は、出さないで、くだ、さい……っ」


< 71 / 447 >

この作品をシェア

pagetop