最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「ま、しろちゃん……」
「あ?真白?そいつが総長なのか?随分可愛い名前だなぁ」
「ち、がいます……っ。可愛い、女のコ……。その子は、一緒じゃなかった、ですか……っ?」
もしかして、危ない目にあってるんじゃ……っ。
真白ちゃん、無事でいて!
すると、新島は「はあ?」と目を開いて私を見た。
「アンタ、自分の置かれてる状況を分かってる?連れ去られたんだぜ?俺らに。
これから何されるかも分かんねーって時に、なに呑気にダチの心配してんだよ?」
「ッ!」
これから何されるかも分からない――
新島は、確かにそう言った。
その言葉は、私を更に震え上がらせるには十分すぎる言葉……だけど。
「と、友達……だから、心配、する、んです……っ」
「へぇ……」
「っ!」
真白ちゃんは、確かに今日会ったばかりの子で付き合いは浅いけど。
でも、私に話しかけてくれた女の子だもん。
私が調子悪そうにしていたら、公園で休ませてくれて、飲み物も買ってくれる。
そんな真白ちゃんは、とっても優しい子。
「あの子に……手は、出さないで、くだ、さい……っ」