最強王子とフェンス越しの溺愛キス
目に涙をためて、そう訴えた。
この人にも、さっき話をしていた仲間がいる。友達がいる。
それなら、私の気持ちも分かってくれるはず――
そう思った。
だけど、
バリッ
「悪ぃ。俺、そーゆーの虫唾が走んだよなぁ」
強い力を前に為す術なく、私の制服のボタンは、簡単にはじけ飛ぶ。そして胸元まで制服が破られた。
ギリギリ下着は見えないけど、でも……。もう何をされてもおかしくない。
「い、や……いや……っ」
恐怖でポロポロと涙が落ちる。
だけど新島は「いーねぇ」と、ペロリと私の頬を舐めた。
「美人が泣いて抵抗するなんて、良い眺めだよなぁ」
「ッ!」
新島には、心がない。
だけど、それが分かった時には、もう手遅れで……
「や、めて……やめて!
助けて、生吹くん……っ!!」
頭がこんがらがって、真っ白になって……
もうダメだと思った時に、口をついて出た名前。