最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「明かりはつけるな!お前ら夜目は効く方だろ?
暗闇は、生吹の方が不得意なはずだ。明かりをつけたら思う壺だから絶対に点け、」
新島がそこまで言った時だった。
「ブゴッ!?」
という悲鳴と共に、ズザザと地面を擦る音が聞こえた。
「(な、なに……っ?)」
真っ暗の中……何も見えない。
私に伝わるのは、一瞬の風が通り過ぎただけ。
「怖いよ、生吹くん……っ」
思わずポツリと漏らした、その時だった。
「大丈夫だよ、美月」
すぐ真横で声がした。
それは、さっきまで遠くにいた人物で……