最強王子とフェンス越しの溺愛キス
「美人さんをそんな格好にしたって生吹が知ったら……。新島を殺りかねないだろ。生吹が」
「え」
その時の一輝くんが、妙に真顔だったのは……もう、何も言わないことにした。
幸いにも、まだお店が閉まる時間ではなかったので、適当に入ったお店で適当に服を買った私。
そしてコンビニのトイレで着替えて、一輝くんの連れられるまま、とあるファミレスへ。
ん?ファミレス?
「あ、あの、一輝くん……私、お腹は、あまり……」
そう言うと、一輝くんは一瞬だけ驚いた顔をして「ぶ!」と笑った。
「わりーわりー。いや、ここがね、集合場所なんだわ。俺と生吹の」
「へ?」
「バラバラになった時は、こうやって落ち合ってんだよ俺ら。
何か飲んで待ってよーぜ。生吹もそのうち来るって」
「そ、そう……なの?」
疑問に思う私とは反対に、一輝くんは既に着席していた。
「ドリンクバー二つ」と早々に注文までしている。