ポンコツ彼女
口元、公開す
「じゃあ、N信金前のファミレスGでいいですね?」
「はい❣」
バッティングセンターの駐車場で短い申し合わせを済ませて、二人はそれぞれ車に乗り込んだ。
ちなみに彼女のクルマは黒のヴィッツだった。
車中、オレは長らくご無沙汰だったウキウキ感ってモードを味わっていた。
それ…、おそらくはささやかなトキメキだったんだろう。
一方で、どこか心が重くなるような…、うしろめたさに近い躊躇ってモード色も伴っていたな。
言うまでもなく、今はキンキュー自体は出てないが、断続的な国と自治体からの、耳タコものの”不要不急の云々かんぬん…、家族以外の複数会食の自粛を~”ってフレーズが断続的にサブミニナル攻撃に晒されてる訳でさ…。
やっぱ、この時期、明らかな不要不急の寄り道で偶然出会った異性とさ、自粛時の連れランチだもん。
いいのかな…、コレ。
そう自問自答はしちゃうって。
約5分…、そうこう思案してる間に、N信金が見えてきたわ。
例年なら視界を独占し、桜ちゃんに思わず目と心を丸掴みされる柳通り(桜なのに柳ってのがミソ!)も、今日はどこか異風景に見えたかな…。
***
ファミレスに着いて、二人はクルマを降りた。
「どーも。中、けっこう入ってるみたいだけど、順番待ちまでは大丈夫そうですね。いいですか、ココで」
「はい!」
オレはパーキングに停まってる車の量を概ね見図って、一応彼女へ確認してから店内に入った。
「いらっしゃいませ~。お客様、お二人でよろしいでしょうか?」
「ええ」
ここ長らくの会食自粛サブミニ下、然もあらんだった。
昼時の都下郊外のファミレスは、そこそこの人が席を埋め、コロナ前の昼時定番シーンを表出させていた。
オレたち二人は店中央の4人掛け席に案内され、向かい合って腰を下ろした。
二人の間には透明のアクリル板がしっかりセットされてた。
無論、店頭には消毒液が備え付けられていたし、感染対策の必須ツールは問題なしだったので、後はオレらの側ってことになる(笑)。
肝はマスクだわ…。
***
「じゃあ、あなたもCランチでいいですか?」
「はい!」
ここでもはじけるようなストレート回答だっよ。
体育会系かな、このヒト(笑)。
ともあれ、想像力を駆り立てられるよ、所詮はジミ女なのに…。
「ドリンクバー、一緒に行きましょう」
オレはウェートレスさんに注文を済ませた後、こう切り出した。
で、ここでは彼女、”はい!”ではなかったんだわ…。
「私、お持ちします。何がいいですか…?」
であった…。
だが、オレは彼女に従った。
「では、冷たいウーロン茶、お願いしますよ」
「はい!」
アハハ…、結局はこの合いの手だわ、このヒト。
***
彼女はやっぱ、体育会系のノリなんだなあ~。
別に急ぐことないのに、ドリンクバーでもそそくさと往復してきて…。
一言でいえば、ドンくさなせっかち性がどっと目に付いちゃう、一種
アクの強さが漂ってくる…。
「お待ちどうです!」
アハハ…、この彼女はコーラか…。
やっぱ、色気はあんまりってタイプなんだろう。
「ああ、すいません。…はあ、さすがにのどが渇いた。アナタもでしょ?乾杯って訳にはいかないが、お疲れ様ってことで、一緒にこれ、喉に流し込みましょう」
「ええ、お疲れ様でした!」
彼女はグラスを掴んだ右手を顔のあたりまで上げて、にっこり笑った。
口元除きで…。
とは言え、この後はそのマスクに隠れたそれは、互いに御開帳となる訳でね。
ドリンク飲むんだから、当然だが…(苦笑)。
「はい❣」
バッティングセンターの駐車場で短い申し合わせを済ませて、二人はそれぞれ車に乗り込んだ。
ちなみに彼女のクルマは黒のヴィッツだった。
車中、オレは長らくご無沙汰だったウキウキ感ってモードを味わっていた。
それ…、おそらくはささやかなトキメキだったんだろう。
一方で、どこか心が重くなるような…、うしろめたさに近い躊躇ってモード色も伴っていたな。
言うまでもなく、今はキンキュー自体は出てないが、断続的な国と自治体からの、耳タコものの”不要不急の云々かんぬん…、家族以外の複数会食の自粛を~”ってフレーズが断続的にサブミニナル攻撃に晒されてる訳でさ…。
やっぱ、この時期、明らかな不要不急の寄り道で偶然出会った異性とさ、自粛時の連れランチだもん。
いいのかな…、コレ。
そう自問自答はしちゃうって。
約5分…、そうこう思案してる間に、N信金が見えてきたわ。
例年なら視界を独占し、桜ちゃんに思わず目と心を丸掴みされる柳通り(桜なのに柳ってのがミソ!)も、今日はどこか異風景に見えたかな…。
***
ファミレスに着いて、二人はクルマを降りた。
「どーも。中、けっこう入ってるみたいだけど、順番待ちまでは大丈夫そうですね。いいですか、ココで」
「はい!」
オレはパーキングに停まってる車の量を概ね見図って、一応彼女へ確認してから店内に入った。
「いらっしゃいませ~。お客様、お二人でよろしいでしょうか?」
「ええ」
ここ長らくの会食自粛サブミニ下、然もあらんだった。
昼時の都下郊外のファミレスは、そこそこの人が席を埋め、コロナ前の昼時定番シーンを表出させていた。
オレたち二人は店中央の4人掛け席に案内され、向かい合って腰を下ろした。
二人の間には透明のアクリル板がしっかりセットされてた。
無論、店頭には消毒液が備え付けられていたし、感染対策の必須ツールは問題なしだったので、後はオレらの側ってことになる(笑)。
肝はマスクだわ…。
***
「じゃあ、あなたもCランチでいいですか?」
「はい!」
ここでもはじけるようなストレート回答だっよ。
体育会系かな、このヒト(笑)。
ともあれ、想像力を駆り立てられるよ、所詮はジミ女なのに…。
「ドリンクバー、一緒に行きましょう」
オレはウェートレスさんに注文を済ませた後、こう切り出した。
で、ここでは彼女、”はい!”ではなかったんだわ…。
「私、お持ちします。何がいいですか…?」
であった…。
だが、オレは彼女に従った。
「では、冷たいウーロン茶、お願いしますよ」
「はい!」
アハハ…、結局はこの合いの手だわ、このヒト。
***
彼女はやっぱ、体育会系のノリなんだなあ~。
別に急ぐことないのに、ドリンクバーでもそそくさと往復してきて…。
一言でいえば、ドンくさなせっかち性がどっと目に付いちゃう、一種
アクの強さが漂ってくる…。
「お待ちどうです!」
アハハ…、この彼女はコーラか…。
やっぱ、色気はあんまりってタイプなんだろう。
「ああ、すいません。…はあ、さすがにのどが渇いた。アナタもでしょ?乾杯って訳にはいかないが、お疲れ様ってことで、一緒にこれ、喉に流し込みましょう」
「ええ、お疲れ様でした!」
彼女はグラスを掴んだ右手を顔のあたりまで上げて、にっこり笑った。
口元除きで…。
とは言え、この後はそのマスクに隠れたそれは、互いに御開帳となる訳でね。
ドリンク飲むんだから、当然だが…(苦笑)。