ポンコツ彼女
キミが見えた
そうとあっては、まずもってS美から”全部”を聞かねば…。
いや、オレは彼女の思い…、その深意を知りたかった。
無性に…。
「…実は私、コロナになる数か月前から付き合ってる人がいたんです。それで、マスク着用が日常になる直前、キスまで行きました。おそらくコロナがなかったら、次にデートでベッドインしてたと思うんです。その後は、もしかすると結婚の二文字もって感じも持ってて…。でも、彼とはそこでストップしちゃって」
ふー、これまた一気に来たわ。
ここはあえて、言葉を挟まず相槌は小さく頷くとこで留めていた。
「…そのうち、この国も感染拡大で3密回避の空気が出来上がりましたよね。私たちも、必然的に直に会って食事してって”今まで”を自粛して、もっぱらラインを通じたふれあいにとどめていました。遠距離恋愛でもないのに、直接会って話すこともできない…。そのもどかしさは、同じような境遇のカップルならだれもが感じたことなんでしょうね。要はそこでの帰結がどんななのかです。結果、私たち二人のカンケーはフェードアウトしちゃいました。会えないことで覚めちゃったんです」
あくまでS美は淡々とだったが、これって…、初対面のオトコにぶちまけるべき告白じゃないだろ…。
まあ、そうなるよ、平時なら…、でも今のこの国は、静かであはあるがそうではない…。
ここでもこの前提がドカンと居座って故のこと…、そうなるよな。
んで…、彼女のコトバはさらに続く。
***
「…私、いろいろ考えました。たかだか、数か月、直接会えないだけである意味一番盛り上がり過程な”恋愛中”が、こうもあっさりクローズの坂を転げちゃうのかって…。それ、ヘンじゃないって。でも、結局はヘンでもなんでもなく、私達二人自体でなら、ごく理に適った結末だろうって悟れたんです」
「ああ、あの…、小島さん…。いきなり思いのほかディープなお話なんで、一応念押ししますよ。私たち二人は、たまたま今日…、初めて会って、まあ、こんなコロナ禍ってことで、ランチとなった訳ですが、いいんですか?初対面のどんな人間かもわからないオトコが、そこまで知って…」
思わず、オレはここで口を挟んでしまった。
だって…、たぶん、この続きは大体予想できたし。
さすがに、いいのかよ、そこまで晒してもらってって…。
そこんとこ、ホントにいいの?は、しっかり確かめておかなくてはと思ったんだ。
で…、彼女のリアクションは然もあらんだったよ。
「いやですか…、本橋さんは?」
S美はおそらく、オレがこんな投げかけをするのを予測していたのだろう…。
さすがに、ここまでの懺悔告白モードとなれば、聞いてる相手だって戸惑うだろうって…。
第一、この小島S美ほぼ30歳という女性には、こんな自己晒しなど、最も似つかわいタイプだよ。
なので、その上でのコトな訳なんだから、こっちもシャキッとしないとな…。
「いや、ぜひ最後まで聞きたいですよ。ただ、自分は協会の牧師でも、テレビ画面で鼻の穴おっぴろげのなんちゃってコメンテーターでもない。大したリターンなど期待されても無理です。そこを承知いただければってとこです」
アハハハ…、S美ちゃん、ここではケタケタ笑ってくれたわ。
もはや、マスク越しでも彼女の”笑顔”がくっきりと見えてたよ。
いや、オレは彼女の思い…、その深意を知りたかった。
無性に…。
「…実は私、コロナになる数か月前から付き合ってる人がいたんです。それで、マスク着用が日常になる直前、キスまで行きました。おそらくコロナがなかったら、次にデートでベッドインしてたと思うんです。その後は、もしかすると結婚の二文字もって感じも持ってて…。でも、彼とはそこでストップしちゃって」
ふー、これまた一気に来たわ。
ここはあえて、言葉を挟まず相槌は小さく頷くとこで留めていた。
「…そのうち、この国も感染拡大で3密回避の空気が出来上がりましたよね。私たちも、必然的に直に会って食事してって”今まで”を自粛して、もっぱらラインを通じたふれあいにとどめていました。遠距離恋愛でもないのに、直接会って話すこともできない…。そのもどかしさは、同じような境遇のカップルならだれもが感じたことなんでしょうね。要はそこでの帰結がどんななのかです。結果、私たち二人のカンケーはフェードアウトしちゃいました。会えないことで覚めちゃったんです」
あくまでS美は淡々とだったが、これって…、初対面のオトコにぶちまけるべき告白じゃないだろ…。
まあ、そうなるよ、平時なら…、でも今のこの国は、静かであはあるがそうではない…。
ここでもこの前提がドカンと居座って故のこと…、そうなるよな。
んで…、彼女のコトバはさらに続く。
***
「…私、いろいろ考えました。たかだか、数か月、直接会えないだけである意味一番盛り上がり過程な”恋愛中”が、こうもあっさりクローズの坂を転げちゃうのかって…。それ、ヘンじゃないって。でも、結局はヘンでもなんでもなく、私達二人自体でなら、ごく理に適った結末だろうって悟れたんです」
「ああ、あの…、小島さん…。いきなり思いのほかディープなお話なんで、一応念押ししますよ。私たち二人は、たまたま今日…、初めて会って、まあ、こんなコロナ禍ってことで、ランチとなった訳ですが、いいんですか?初対面のどんな人間かもわからないオトコが、そこまで知って…」
思わず、オレはここで口を挟んでしまった。
だって…、たぶん、この続きは大体予想できたし。
さすがに、いいのかよ、そこまで晒してもらってって…。
そこんとこ、ホントにいいの?は、しっかり確かめておかなくてはと思ったんだ。
で…、彼女のリアクションは然もあらんだったよ。
「いやですか…、本橋さんは?」
S美はおそらく、オレがこんな投げかけをするのを予測していたのだろう…。
さすがに、ここまでの懺悔告白モードとなれば、聞いてる相手だって戸惑うだろうって…。
第一、この小島S美ほぼ30歳という女性には、こんな自己晒しなど、最も似つかわいタイプだよ。
なので、その上でのコトな訳なんだから、こっちもシャキッとしないとな…。
「いや、ぜひ最後まで聞きたいですよ。ただ、自分は協会の牧師でも、テレビ画面で鼻の穴おっぴろげのなんちゃってコメンテーターでもない。大したリターンなど期待されても無理です。そこを承知いただければってとこです」
アハハハ…、S美ちゃん、ここではケタケタ笑ってくれたわ。
もはや、マスク越しでも彼女の”笑顔”がくっきりと見えてたよ。