俺達の笑顔
「…帰る」


由美がソファから勢いよく立った。


行くなよ…


俺はそんな気持ちを体で表した。


「待てってば!」


由美の腰に手を回して、後ろから抱きしめた。


「俺待ってるから…別れても由美のこと愛し続けるから…」


何言ってるんだろう…俺…


大好きなら…

別れたくないなら…

引き止めればいいのに…


でも、俺の心の中で何かが吹っ切れた。


多分…由美は過去のことを打ち明けたことで精神が落ち着いていないんだ。

だから別れ話を切り出したのかもしれない…

由美がいつか落ち着いて冷静を取り戻す日を信じて…
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