俺達の笑顔
次の週のセミナーで恐れていたことが起きた。


「松田君が別れたって話、流しちゃったぁ〜…」

「何でそういうことベラベラ喋るんだよ!?」


あの高井さん…

平気な顔して言ってきた。

こいつはデリカシーのかけらもない。

バルコニーなんかで話をしてしまった俺もたしかに悪いが…

だからって軽々しく誰かに話してもいいことなのか?


悪びれる様子もない高井さんにだんだん腹が立ってきて、バルコニーに引っ張り出した。


「少しは人の気持ちを考えたらどうなんだ!?」

「だって私松田君のことが好きなんだもん!」
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