誰か僕に気がついて
10月19日
昨日の試合でクタクタだ
点が入らないと
全部、僕のせいにされた
「先輩のやつら
クズ、クズって言いやがる」
思い出すと腹が立った
「くそっ、どいつもこいつも
バカにしやがって!」
ゲームが終わると
腹がへった
「ラーメンでも食いに行くか」
玄関でくつをはいていたら
母さんが来た
「あんた!弁当作らなくていいって
言ったよね!
母さんあんたの食事は今後
いっさい作らないから!」
「へえ、息苦しい食卓から
開放されてうれしいよ!」
玄関の戸を思い切り閉めた
売り言葉に買い言葉だった
早く金を稼げるようになって
この家から出て行きたい
僕は本気でそう思った
11月4日
学校帰り、ばあちゃんの家に寄った
庭で花を植えていた
声はかけずに
しばらく眺めていた
僕は自分が
何かとんでもないことを
しそうで怖かった
ばあちゃんを見ていると
心が落ち着いた
「ばあちゃん、たすけてくれよ・・」
心の中で叫んでいる僕がいた
「まあ!達也じゃない?
今、大学芋を作ったから
食べていきなさい」
やっと僕に気がついた
テーブルに
赤い小さな花があった
昔は母さんもよく花を
いじっていたな
「達也、耳はどう?
まだお医者に行ってるの?」
入試の時から
中耳炎は治ってない
ずっと薬漬けだ
そのせいか
いつもムシャクシャする
「薬の飲みすぎはだめだよ!
人間には自然治癒力っていう
すごいお医者さんが
身体の中にいるんだよ」
僕はあまり話さず
芋を食べた
帰りにばあちゃんは
こづかいをくれた
「これが欲しくて来たんだろ?」
ズボシだった
久しぶりに笑った気がした
昨日の試合でクタクタだ
点が入らないと
全部、僕のせいにされた
「先輩のやつら
クズ、クズって言いやがる」
思い出すと腹が立った
「くそっ、どいつもこいつも
バカにしやがって!」
ゲームが終わると
腹がへった
「ラーメンでも食いに行くか」
玄関でくつをはいていたら
母さんが来た
「あんた!弁当作らなくていいって
言ったよね!
母さんあんたの食事は今後
いっさい作らないから!」
「へえ、息苦しい食卓から
開放されてうれしいよ!」
玄関の戸を思い切り閉めた
売り言葉に買い言葉だった
早く金を稼げるようになって
この家から出て行きたい
僕は本気でそう思った
11月4日
学校帰り、ばあちゃんの家に寄った
庭で花を植えていた
声はかけずに
しばらく眺めていた
僕は自分が
何かとんでもないことを
しそうで怖かった
ばあちゃんを見ていると
心が落ち着いた
「ばあちゃん、たすけてくれよ・・」
心の中で叫んでいる僕がいた
「まあ!達也じゃない?
今、大学芋を作ったから
食べていきなさい」
やっと僕に気がついた
テーブルに
赤い小さな花があった
昔は母さんもよく花を
いじっていたな
「達也、耳はどう?
まだお医者に行ってるの?」
入試の時から
中耳炎は治ってない
ずっと薬漬けだ
そのせいか
いつもムシャクシャする
「薬の飲みすぎはだめだよ!
人間には自然治癒力っていう
すごいお医者さんが
身体の中にいるんだよ」
僕はあまり話さず
芋を食べた
帰りにばあちゃんは
こづかいをくれた
「これが欲しくて来たんだろ?」
ズボシだった
久しぶりに笑った気がした