眠り姫の枕になりたい王子たちは、今日も姫を甘やかす


だ、だれ…だろう、この人…。



なんで私の名前知って……??



…いや、とりあえず私もなにか言わなきゃ。



「っお、おは……よう、ございます…」



そう思っても、出てくるのは細くて小さい聞き取りにくい声。



相手もちょっと困ってる。



うぅ……やっぱダメだ。



ただ挨拶を返すだけ。



ただ普通に話すだけ。



この行為が、私にとってどれだけ難しいか…他の人にはわからないだろう。



「…えっと、突然話しかけてごめんね?じゃ、じゃあまた…」

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